2007.07.23 Monday
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2007.07.10 Tuesday
三笠宮ご夫妻が母、貞明(ていめい)皇后の思い出を語られた「母宮貞明皇后とその時代」(工藤美代子著)が、中央公論新社から10日に出版される。終戦時に陸軍少佐だった三笠宮さま(91)は戦争の秘話をいろいろと明かし、百合子さま(84)と共に皇后の人柄を率直に語られている。
御前会議でポツダム宣言の受諾が決まった1945年8月14日の夕、三笠宮さまは宮邸に阿南惟幾(あなみこれちか)陸相の訪問を受け、「陛下が降伏の決意を翻(ひるがえ)し、戦争を継続していただくよう申し上げて」と懇願された。三笠宮さまはその時のことを「温厚な顔つきや話し方を聞きながら、陸相が侍従武官をしていたことを思い出してね。陛下をかわいいわが子のように思っているのではないかという印象を受けたものでした。要請は受け入れるわけにはいきませんでした」と振り返られている。
阿南陸相が「一死以て大罪を謝し奉る」と書き残して自決したのは数時間後。百合子さまは「なんともお寂しそうな後ろ姿で、こちらまで感傷的になったのを忘れられません」と語り、昭和天皇の元を訪ねようとする三笠宮さまを御附(おつき)武官が止め、玉音盤争奪騒動に巻き込まれずに済んだことを明かされている。
また、三笠宮さまは兄の昭和天皇について「公的には君臣であり、大元帥と一少佐。公私の区別を峻別(しゅんべつ)される方でしたから、結果的には孤独で、寂しかったと推察します」と話されている。
三笠宮さまの終戦秘話などは10日発売の「中央公論」8月号でも紹介されている。